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甘味亭 真朱麻呂の部屋


[1106] 始まりは始まる
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][得票][編集]


僕は終わりを知っていた
僕は終わりがあることを知っていた
でも不安だから
言葉にしたくないから
考えたくないから
とてもこわいから
終わりなどないかのように振る舞った
笑いながら
ごまかした

外は夕焼け
もう今日はおしまい
明日も夕焼け
眺めながら涙する
そんなことより何より
悲しいのは
懐かしい君の声
懐かしい思い出の中の僕ら

終わり始まり
また始まり終わる
その流れで生きる
いつの間にか
君はいなくて
独りぼっち
振り返ったら
見えた夕焼け
空は遠くて
君も遠くて
あんなに近くにいたのに
今では遠くて
これからも遠くて
二度とふれられない
つかめない
言葉交わせない
ケンカも
くだらないジョーダンも言い合えない
終わりがあるから
終わってしまったから
仕方ないと思い込むしか…
それだけしか僕には…
悲しいよ
悲しいけど
悲しんでても
なにも始まらない
悲しんでたら
明日は見えてこない
何にもならない
だから
僕は笑う
ぎこちなく笑う
いつかまた
前までの笑顔
いつかの笑顔
君と見せ合った
あの笑顔取り戻すために
僕は笑う
悲しくても
僕は笑う
空を眺めながら
忘れないで
忘れたくないから
忘れたら終わりだから
終わってもまた続いてくから
僕は始める
始まりを始める
今日を生きてく
明日も生きてく
未来を生きてく
精いっぱい
君の分まで
ずっと
ずっと
ずっと生きてく
いつまでも
君の生きざまを背負いながら笑う。

2007/05/12 (Sat)

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