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甘味亭 真朱麻呂の部屋


[1111] 夢と雨と僕と (後半)
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]

こんなにやりたいことがやれなかったことがまだ残ってるっていうのに

忘れかけていた何かが思い出せそうなのに
ただ僕は過ぎ去る時の波に押し流されて

金網から
変わっていく世界を
進んでいく世界を
ただ眺めてるだけ
越えられず
戻ることもなく
音さえもなく
冷たい金網の感触だけが伝わってきて
嘘のように
夢のように
晴れ渡った青空
広い原っぱ
どこまでも続く道
嘘のような世界
夢のような世界
吸い込めば懐かしいによい
夢の中
嘘の夢の中
本当の夢の中
僕の夢の中
目尻に涙をため込んで潤んでる
何かを嬉しがるように
何かを思い出せたように
何かを見いだせたように
何かをやり遂げた後のように

僕はすがすがしい気持ちで
目覚める
目覚めてから気づく
忘れかけていた大事な何かに
思い出せた喜びに笑みがこぼれる
嬉しくて涙して
悲しくて涙して
僕は同時に二つの涙を流す
雨が過ぎ去った
昨日が行き過ぎた
今日という新しい1日に涙を流す
青く澄んだ淀みのない涙を流す
とても
とても
すがすがしい気持ちで
今まででいちばん
きれいな涙を流すよ。

2007/05/13 (Sun)

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