ホーム > 詩人の部屋 > 甘味亭 真朱麻呂の部屋 > 夏の景色〜想い出

甘味亭 真朱麻呂の部屋


[1130] 夏の景色〜想い出
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


遠ざかる夏を見送ることもなく
当たり前な顔をして
過ぎ行く時間に身をゆだねている
それが何となく悲しいのさ
頬にあたる風はこんなにもやさしくて
流れゆく時間はこんなにも穏やかで

あぁ
溜息ばかりの日々
ただ淡々と切なさを連れながら歩く
あぁ
見上げた瞳に映る
ただ果てしなく続いた青く澄んだ空

僕は少しずつ大人になってって
誰もが誰もいつか消えてって
それでも
世界はなにくわぬ顔
変わらぬ日々がただどこまでも積み重なっていく
だから
僕は悲しいんだ
だから
君も悲しいんだろう

その頬をつたい流れ落ちる涙は
悲しいから
切ないから
儚すぎるから
心がそう感じたから流れ落ちるんだろう
僕は知ってるんだろう涙する理由のすべてを

悲しいほどに知ってるんだろう
遠ざかる夏の蒸し暑い日中に僕は考えてみた
少し考えてみた
今のこと
先のこと
色々考えてみた
涙して
ほくそ笑んで
当たり前に喜んで
それでもやっぱり
悲しかった
悲しかった
悲しかったよ
夏の景色よ
僕と君の想い出よ。

2007/05/17 (Thu)

前頁] [甘味亭 真朱麻呂の部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -