詩人:甘味亭 真朱麻呂 | [投票][編集] |
なにもない夜にたった独り僕はここにいて
世界から置き去りにされたように淋しげな瞳で夜空見る
奇跡や偶然なんか信じてないのにね
どうして僕はソワソワしてる
どうして僕はうかがうように覗き見てる
流れ星が去った後
空っぽになった僕の心
軽くしていくもの
いつかのきみと交わしたキスの味も
すべては過去となって
思い出すだけのもう届かない幻になる
流れゆく月日はだんだんと独りの僕を淋しくさせる
何か欲しくなる
誰か恋しくなる
時間が経てば経つほどに思いは強くなる
一時間刻みでハト時計の小さな扉から
機会仕掛けの白いハトが飛び出して
その聞き慣れた鳴き声で時を知らせる
いつか僕がこの世界から消え去るその時までも きっと…
夜はね
とても悲しい気持ちになるから
それはどうしてなのか僕にはわからないけど
終わりが近づいてきていることだけは
心のどこかで理解してる
そう多分誰しもが理解してる
ただわかっていても考えたくないだけさ
だって悲しくなるから
でも気づくといつの間にか考えてる
そこにある現実に逃げきれずにむりやり考えさせられてる
不慣れな手つきで
空に浮かぶ輝く星の屑を手にとって眺めて
それを一生の夢だと悟って
今夜も眠る
僕は眠る
明日も眠る
眠くなくても眠る
夜が来ればね
眠らなくちゃ
だから眠る
睡魔に勝てず
気づいたら夢の中
儚く寂しい 夢の中
醒めない眠りにつくまでは
気だるく憂うつな 現の中。
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