詩人:甘味亭 真朱麻呂 | [投票][編集] |
今日僕がついた嘘は明日には本当になる
もう同じ過ちを繰り返したくはない
いつか遊覧船に乗ったときのようなきれいな眺め
ずっと今まですっかり忘れてた
見えない答探しながら見つからずに迷って
焦りだけ募って
休むことさえずっと長い間しなかった
浮いたり沈んだり
何度も投げた釣り竿にやっときみがかかったのに
ここまで来てさよならなの
糸はぷつりと切れて
きみと僕は何の関係もないふたりになって
想像したらものすごく悲しくなって
笑いながらも涙を流してた
ぜったい 忘れないでね
あの日誓った想い
ぜったい 忘れないから
小指と小指絡ませて
約束したよ
今ぐらい暑かったあの夏の日の夕方
いろんな思い出が時々背中をさする
思い出すそのたび心をくすぐる
入道雲が青く染まった空にひろがって
似たような景色の中
見覚えのある裏の路地
あれからずい分年老いた野良猫
どこかでちりんと風鈴が風に揺れ鳴る
このまま歩き続ける
この夏を乗り切った後も
また何くわぬ顔顔をしてやってくるんだろう
変わらぬ夏景色瞳に映って
あの日の楽しかった夏を懐かしく 切なく思い出してみる
悲しくなるのはわかっていても
いつまでも忘れたくないから思い出してみる
ちりん ちりん ちりん
風鈴の鳴るその音色に耳を澄まして
見る夢の中魂だけで遠出してみる
あぁ ずっとずっと忘れられぬ夏景色
遠ざかる 蝉の声
虫を採って楽しそうにはしゃぐ 幼い僕の声…
忘れたくない思い出
夏景色。
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