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甘味亭 真朱麻呂の部屋


[1261] やさしいらいおん
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


やさしいらいおんがそよぐ風に合わせリズムをつかみ楽しそうに唄っている
とても上手な歌声はいつか私の元にも届くことだろう
密封された部屋の窓を何気なく開けて空気を逃がし
また新鮮な空気をため込んだら閉める
そんな当たり前な日常を繰り返すことで
僕は幸せへと行けるのでしょう
いつか、いつの日か
僕は君と幸せへたどり着けるんでしょう
このまま変わらず歩いて行きさえすれば

やさしいらいおんがみかん色に染まった空を見て僕の隣で泣いていた
今日から明日へ明日からその次の日へ
繰り返していってこの道をしばらく歩いていく内に僕はいつの間にか消えていく
道を外れることはできないさ、誰も
このまま誰かの作り出した道を見えない線に沿って歩いていくことしか
僕にはできないんだ
たとえばこの今君といる時間さえ取り戻せなくなるほど遠くなって
気がつけば僕は馴れ合いの中で与えられた仕事をこなし
そのこなした分だけの報酬で毎日を暮らしていくだろう
嫌だとは言っていても
休める理由もなく気づけば今日も僕は仕事に打ちこむ

ねぇ
こんなどこにでもあるようなありきたりな毎日の中
しっかりと前を見据えて立っていて
立ち止まったその場所で君と笑ったり泣いたりさ
いろんな景色をこの瞳に忘れないよう焼き付けて
ただ生真面目なだけのいつかこんなにも弱い僕の心
どんな誰よりもつよい心を持った百獣のらいおん
やさしいらいおん
いつか僕も強くなるから
待っていてね、つよくなりたい僕の隣にいる大好きな君を
誰よりも幸せにしたいから
待っていてね、僕の僕だけのやさしいらいおん。

2007/07/14 (Sat)

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