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甘味亭 真朱麻呂の部屋


[1281] 太陽の向く方へ
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][得票][編集]


日が暮れた空の下
僕はいつものようにまっすぐ家へと向かって歩いていた
こみ上げるこの言い様もない気持ち
五時のチャイムのメロディ
心にすっと入り込んでくる
カラスも巣へと帰る頃
見上げた彼方雲間にひっそりと身を隠す真昼の薄く青い月
空の色にとけ込んでいて目立たなかった

そうしていつも通りに辺りは暗く静かになり
いつの間にか茶碗に山盛りだったご飯をたいらげて
僕は気づけば布団に横になって
眠そうにあくびをしてた

今日と同じ日々が幾度となく
繰り返されて積み重なって未来の僕を形作るのさ
ただもどれない過去を忘れるようにして
常に頭にあるのは今この瞬間
その先の今などきっと考えられる余裕などなく
誰もが今この瞬間を精いっぱい
時には死ぬ気で生きているんだ

たとえばこんな心なしか不安な夜
眠れずにいる今など自分の中ではいつか小さなことになってしまうのかな
考えたらもう悲しくなってくるよ
思わず涙を流してしまうほどに
とてもとても悲しくなってくるよ

こんなふうに明日もまたその先の日々さえ
何ら変わりなく続いていくのだね
忘れていく罪の重さに気付もせずに僕はまた都合のいいいいわけでごまかしたりしてる
いつまで通用するかな

昨日の景色を過ぎ
変わらない生活の始まりの朝目覚め
少しだけでもと前向きに考えてみたりする
ただただひたすら
太陽の向く方へ
自分自身を信じて
まだ見ない新しい不安いっぱいの今日へ。

2007/07/20 (Fri)

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