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甘味亭 真朱麻呂の部屋


[1311] 想い出の欠片
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


哀しみの中のわずかな光をかき集めて
揺られるように今日も僕は荷物を抱え帰ります
遠くなる景色だけが淋しさをはこんでくる
凍えるような心の寒さに語りかけてくる雨音

傘にはじけた雨粒の数だけ
この世界には哀しみがあると
君は言うよ
なんのためらいもなくただ言うよ
この雨も明日になればうそみたいにやんでいるんだろう

通り過ぎるライトを後ろにして
振り返ったときには遠く
もう二度と届かない夢
独りきりの帰り道
励ますのは夜空に浮かんだあの月だけ
ポケットにしまい忘れた想い出の欠片
伝えられずに行き過ぎてしまった
今ではこんなにも小さくなってしまった
愛のコトバ。

2007/08/07 (Tue)

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