詩人:甘味亭 真朱麻呂 | [投票][得票][編集] |
懐かしい場所へと
僕は帰りたい
世界が終わっても
僕は行きたい
蝉時雨遠くなって
夏ももうじき終わるんだね
海にも行った
釣りにも行った
五月雨雨宿りした
つぶれた電気屋の屋根の下
今年は暑かった
本当に暑かった
懐かしい場所へと
僕は帰りたい
世界が終わっても
僕は行きたい
家族達の笑い声
縁側でスイカの種飛ばした
切なくもある
儚くもあるね
祭りの後静けさ
日陰を探したプールの帰り
日に焼けた肌
見せあい笑う
嗚呼
思い出はまるで線香花火のようさ
その場では美しいものだけれど
終わってしまえばやっぱり寂しくなるよね
花火の後始末をするように
遊びきった花火の燃えカスが残ってるだけ
思い出はきれいなだけじゃないってことを忘れないで
そのきれいさに心奪われて惑わされてしまう時もあるさ
それだけ思い出がきれいってことだね
だから終わってはじめて気づく
切なさや寂しさに苛まれる
夏の終わり。
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