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甘味亭 真朱麻呂の部屋


[1435] 楽園
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][得票][編集]


何処か僕が求めている世界があるなら
教えてほしいいざない導いてほしい
もう失うことで悲しまなくていい場所
もう自分を守るために他人を傷つけなくてもいい場所
連れて行ってほしい
そんな楽園へ

やさしさはきっと人を守るため包むためあると君はいう
きびしさはそんなやさしさで自惚れないようにあるんだ
やさしさだけじゃ生まれないものがある
きびしいばかりじゃわからないことがある
君は確かにそうつぶやいた後で
そっとしずかに口を閉ざした

人がいうことは自分だけが正しいと思ってる
見せかけだけの正しさしかないと思ったりした
けれど君のあの言葉だけは本当に胸をざわめかした
君の言葉にはいつもどこか不思議な説得力がある
だから信じる心から君を信じられる

どこかに僕が求めている答があるなら
教えてほしいその在処を知りたいんだ
もう失うことで涙しなくていい場所
もう自分を守るために本当の心欺かなくていい場所
連れて行ってほしい
そんな楽園へ

いつか約束したよね
2人一緒になるって
月がきれいな夜に語り明かした内緒の話
ねぇ君は覚えてる?
あの時の君がくれた言葉今でも
ああ僕は覚えてるよ
君といるときだけは楽園に行けたようなそんな気持ちになれる
おだやかな時間が流れる
あたたかな自分になれる
誰かを傷つけたことも
誰かを陥れたことも
僕は隠さない
僕はなかったことにはしない
それがせめてもの罪滅ぼし
楽園を求めてそしてたどり着いた場所
それこそが
君だということ
それこそが
本当の楽園さ

今夜も夢に揺られて
眠る僕は君と2人
心地いい風に吹かれ
季節を旅していく
いつか
夢みてた大人への道を進む。

2007/09/10 (Mon)

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