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甘味亭 真朱麻呂の部屋


[1691] 僕と君が居た場所でU
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


読心術でもすべてを読みとるなんてできない
心にある感情はそんなに作られた出来物に読まれるほど簡単に作られてはない
僕たちは計算や理屈では計り知れない
何かを持ってるから
僕はそれゆえに無力にならざるを負えないんだ

街をゆく人々の心
内側からのスクリーンじゃ見えない
今あなたは悲しいの?
それともうれしいの?
切ないの?必ず感情はあるはずなんだ
それならうつろな表情のない人の心はレントゲンで何回写してみても心までも悲しみの色に染まってさびしすぎる
喜びなんてない
ただひとつだけの感情
喜びも 楽しさも
ただ感情の仮面を被って嫌々偽ってるだけ
その心の仮面を外してしまえば本心の自分
なんの表情もない僕
ただそんな僕が此処に居てもきっと何の意味もなくジャマなだけだって思うから
自分でわかってるから
たとえそれが思いこみだとしても

もう どちらにしろ
もはや君が居ない世界で生きる理由はなにもありはしないから
潔くこの世界とさよならするよ
僕と君が居た場所でこのまま君の消滅をなかったことにはできないから
あの日誓った約束を守れないくらいなら
迷うことはしないよ
選択の余地もなく
答は決まっていたよ
最初からね

さよならへと歩いてく
此処は僕の居るべき場所じゃないから
僕は本当に居るべき場所へかえります

君の元へ 君の元へ
僕と君が居た場所へ
もう一度 もう一度
僕と君が居た場所へ

僕が居て
君も居て
あの頃みたいに笑いあえる場所へと
それがだめでも同じ世界へ 同じ闇の中へ行きたいんだ
君と一緒の空気を吸いたいんだ
この世界じゃないその世界のどこかに居て漂う君は今何処にいるのかな?
ああ君と一緒の世界へ行きたいんだ
間違いだと言われてもそうして同じ石の下で同じ土と線香のによいの中で

2007/10/21 (Sun)

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