詩人:甘味亭 真朱麻呂 | [投票][編集] |
瞳に映るもののすべてがまるで違ってた
時は待たず季節をつれてくる大人になる日はそう遠くはない
冬の真っ暗闇の夜の道を歩きながら僕は
白い息を吐き出しながらこれでも精いっぱいやってる方だと
グチりながら家に帰る
心のスクリーンに映し出された過去
特に目立つこともなくひっそりとバカやっていたあの頃
飲めない酒を強がって君の前で飲んで
あげくぶっ倒れた
笑い事じゃないんだ
思い出は今も薄汚いボロボロの作業服
泥だらけの汚い長靴と
言っても言っても
言い足りないくらいのグチだけさ
夜は思ったよりずっとやさしかった あの頃頭に描いた未来は幻みたいに何ひとつ今に描けてはないけど
それも人生さ
それも人生だよ
僕は自分に言い聞かせる 何度も何度も
夢みているように
おだやかな風に吹かれ
色々なことあったけど
何とかやってるよ
心配ばかりする親たちの気持ちがさり気なくうれしかったりして
口ではああは言ってるけど
本当は思ってる
本当は感謝してる
眠れない夜だってここまでこれたのはあなたたちのおかげだと 支えがあったからだとときどき思ったりする
ああ 少しずつでも僕は覚えていくさ
この世の中の上手な生き方を それでも僕らしく自分らしく生きていきたいんだ
ああ 大人っていったいどんな人のことをいう? 図体がデカけりゃ大人になってしまうのか それとも…
世の中わからないことばっかりだ 気ばかり遣って疲れることばかり
なんでこんな事やらなくちゃいけねーのか
あの頃の僕はわからなかったけど
大人に近づく度にその答がなんだかわかった気がする
大人の大変さ 親の大変さ 見えない部分の汗と涙の舞台裏が少しはみれたような気がする
今は僕も新米でも舞台役者で
親たちの感じた苦労などとは比べものにもならないとしても
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