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甘味亭 真朱麻呂の部屋


[1993] 終わりは始まり
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


何かを失うことは
また
何かを得ることさ

何かが終わるとき
それは
何かの始まりだよ

ひとつひとつの悲しみを数え 苦しみを解いて幸せになれるただひとつの道を今
何かが終わり一段落したところで始まりの合図を聞いたなら
また涙拭い歩きだしていこうか ねぇ

描き出した何かがまるでもの足りなくても笑顔になれるのは
まだ僕にはたくさんの可能性と夢を叶えるだけの力と時間が残されているから

誰かに認められなかったり誰かにひどいことをされたって
今はなんとも思わずにがまんできるのさ

終わりそして始まっていくすべてに今までの苦しみや悲しみを重ね どれだけこの瞳濡らし涙を流してきたか考えるとき

きりもなく時間は僕の命を削り日々を紡ぎ
止まってるようでもちゃんと流れていくよ

また明日 また明日
また明日 また明日…
何度くり返せばたどり着ける?あれほどまでに夢にみた場所に行けるんだろうか

僕は少し息をつき
立ち止まる 走らず歩くことにした ここからは 走るのをやめ自分の歳を理解して夢みることも控えめに悲しいけどそれが正しい生き方
運命の定めたより多くの時間の中で生きられる術だと思い

歩くことにした

手繰り寄せた日々
手繰り寄せる今日
また新しい何かも気づけば過ぎ去り あっという間に遠い日のことになり今この時も振り返ったときには遠く遠くなるんだろう きっと
時間は容赦なく流れ僕たちの命をできるだけ早くはこびたいから はこびたいから
おしまいにはまだ程遠いけど いつかいつかすぐに眠るさ
それでも そんなことわかっていながらも笑い何かを欲し
力の限り誰かを愛しまた僕は生きてることを確かめるように息を深く吸い込む
不確かな日々さえも愛おしく思えるほど世界は少しずつ僕の中で輝いてゆくさ
何万年先までも。

2008/01/09 (Wed)

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