ホーム > 詩人の部屋 > 甘味亭 真朱麻呂の部屋 > 名前のない幸せ・続

甘味亭 真朱麻呂の部屋


[2100] 名前のない幸せ・続
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


るにはいたらなかった
途中でやめてしまったんだ

だから神は全知全能であるという認識を全生命に植えつけた
自ら創造主たる威厳を損なわせないようにするため神は自分をこの世の絶対的な象徴、創始者、創造主として人間の中にその想像だけを植えつけた

神は人間たち途方もない人間をつくったから1人1人を覚えることはできていない
だから常に新しい人を作り続けていくしかないので神は人間たちにいつしか自分たちで名前をそれぞれ決めさせるように仕向けた

だから、
神は僕の名を知らないから神の名も僕は知らない 僕はたった神が義務的につくりつくられたいわば見えない何かに作り出された実験体。その名を知らずとも僕は生まれてきてから死ぬまでのこの間になにひとつとして困ったことは別に知らないからといって思い浮かぶ不便さはなにもないのだが

僕の生きるこの世界ではどうやら今も未だ幸せには決められた固定された名前はない
あるのは人間が勝手自由に決めたそれぞれの個性光る想像から出来上がった借り物の名前だという確かな事実がひとつ存在するだけだ

だから、幸せには名前はないと思う
だから名前のない幸せ
だからその幸せはどんな幸せ…?
そう聞かれたときに答えようがないわけだ 返事に困る
だって幸せなんて人それぞれで決まった名前なんかないのだからね。

2008/01/29 (Tue)

前頁] [甘味亭 真朱麻呂の部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -