詩人:甘味亭 真朱麻呂 | [投票][編集] |
何も考えずにいたら
目の前に見えていた景色が急に暗くなりました
何も見ずに生きたら
そのうち周りが離れていっていやに静かになった
どうやら愛想つかされたみたいだ
あくびばっかりしてばかみたいだ
こんなときに何を考えているんだ
歌い続けたのどはつぶれて今までの美しい声が出なくなったことを知った途端誰もここにはこなくなり客足は途絶えた
そう人はいつでもきれいなものを見ていたい生き物だ
当然の話か
みんな 僕自身を好きでいた訳じゃなく
愛してくれていたわけでもなく僕の声を愛していたんだ
だからその声が出なくなったとわかったらさっさと客は遠のいた
これが現実 物語っている
そうだと思うきっかけ
そうだと確信した証なのかも
何ひとつわからないなら 無理をしてわかろうとなんてしてくれるな
してくれなくてもかまわない 心配するな 明日に間に合わないなんてことはない
立ち止まっていても追いかけなくても
勝手に明日はきて勝手にいつか終わりがきて いくつ年を重ねて 過去という過去をひとつひとつ振り返りああと言い様もないほどの気持ちを抱き晩年に思う日が来ること僕ら知ってるから 口には出さなくてもわざわざ言わないでもそうなる時がくること僕自身いつでもたとえ考えなくてもわかるから確信があるから
年老いた手は冷たくて ざらざらしていて 骨と皮ばかり
なぜか時々遠い昔に出会った人をだいぶ後になって思い出すくらいさ くだらないことに笑うくらいさ そんな日々が続く 明日も明後日も変わらなく 繰り返すそんなものさ 人生なんて 考えなくてもわかってるしそんなつまんないこと考えても始まらないってことも知ってるしそれに尽きるから それしかないから
幅の広げようがない から生きていくしかないんだろうそんな風にずっと 生きていくんだろうな なんだかんだ言っても
[前頁] [甘味亭 真朱麻呂の部屋] [次頁]
- 詩人の部屋 -