ホーム > 詩人の部屋 > 甘味亭 真朱麻呂の部屋 > 足並みそろえて

甘味亭 真朱麻呂の部屋


[2302] 足並みそろえて
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]

こうして思えば長い長い道のりでしたね
振り返れば遠く続く道は見えるのに
思い返せばなんだかすべてがあっという間で ふいに思い出すとなぜだか涙があふれるんだ こんな道の途中で進むしか僕にはないのに…ないから

おぼろげな思い出だけが記憶を限りなく埋め尽くしてゆく
過ぎ去った日々たちの行方は知らないけど もうあえないことは確かできっともうかえらない
見てたのは幻だから
まるですべてが昨日のことのように思い出して今日と同じようでまた違う今日といういつか夢みてた
未来の中 その道の途中を歩いてる
これがあの日つよく願っていた未来かはわからないけど
たぶん正しいにしても間違ってたにしても戻れないからその答を出しても悲しみだけが残るだけ
悲しい静寂が過ぎ去った誰もいない昨日の今日と同じ場所に戻るだけさ
過ぎ去ってしまった日はもう忘れてしまった方がいいのか
消えゆく今日の影
遠く揺れています
だんだん遠くなっていって変わらない陽射しが差し込む僕の部屋は夢の中で明日の今日という新しい今日にまた変わるのです
だから気付かないのかもね 無理もない
明日の今日になっても 同じ世界がそこに見えてるだけだから 僕たちの目で見えているものは
いつも限られてて
その全てがどれも不確かで
なにが正解か過ちなのかわからない日々をそれでも歩いてく 同じなのに違う不具合を抱きしめたまま もどかしさでいっぱいの胸の中にあふれる涙の重さで倒れそうになりながらも
今 僕はしっかり地面に重力で引っ張られてるから飛べもせず足しかないので歩かないわけにはいかない
じゃないと歩くことさえしない足は棒になってしまうだけだから

不思議に高鳴ってゆく心のリズム目を閉じていても何かが見えるんだ 不思議と身体がかるくなってくる不思議と過去の僕が笑いかけた気がしたそうして僕は今日も流れる時と足並みそろえて。

2008/03/13 (Thu)

前頁] [甘味亭 真朱麻呂の部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -