詩人:甘味亭 真朱麻呂 | [投票][編集] |
僕と同じ墓に入ってください
僕にそれまでの時間もあずけてください
それなりの幸せはこっちで保証するから
幸せの形は人それぞれで
その人によって違うけれど
きっときっと根本的には変わらない
結局はだれだって同じ人間なんだからね
目をつむり 少しばかり眠って
夢から覚めたら死んだあとってこんな感じかななんて なにもわからない無意識の闇をたとえ話で語りました
いつか どんなにふたりが愛し合っていても
いつかは少しすれば
別れてしまうんだ
それはさよならとかじゃない 誰にでもくる終わりだよ
決してどうにもならない事だから 今がどれだけ幸せだったって終わってしまえばすべてがまるで夢のように 記憶のアルバムが少しずつ焦げて忘れてくように
消えてくのさ
跡形もなく
とろけた記憶だけ
抱きしめて
年老いた僕らはただ余生を暮らすだけ
それなりに
ただなんとなく
過ぎ行くままに
終わりから逃れようとしても終わりを救いたいと願っても
君だけはとかできないんだ
もう終わってしまえば話せもしないんだ 僕が僕じゃなくなる前に君の僕として生きてそして死んで行きたい
それが僕のなによりの幸せだからさ
だから生きてる
今のうちにたくさんの思い出を記憶の中にたたき込むのさ
忘れないように
僕と同じ墓に入ってください
いつかはさよならするならば今これでもかってくらい豪勢に生きよう
生きているならば
生きている人間らしく
あたりかまわず愛し合おう
それが、愛の証さ
それが、愛し合うって事だろう
同じ墓に入っても幸せなんて言えないけど
僕のいいたいことは違うんだ
同じ墓に入る事でふたりの愛をもっと確かにしたいんだよ
後生の人の目に
僕らの墓石を拝ませてやろうじゃないか せめて何もできねぇなら
動けないなら。
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