詩人:甘味亭 真朱麻呂 | [投票][編集] |
風に揺れてる花が一輪
僕のように独りさびしげに咲いている
名も知らない花が
僕に同じ匂いを感じさせるように
その花粉をばらまいているんだろう
人は誰もひとりじゃないというけれど
それが真実だとするならばこのさびしさはなんなんだろう
胸をしきりに締め付けるさびしさに勝てずに涙をこぼして
夜も眠れずにひとり孤独を抱いたまま眠る
僕の存在を明らかにするものもなくさまよい移ろう季節がまた変わりました
変わったのに僕だけはいま過ぎ去る時の中にずっと置き去りにされたように
季節が過ぎてまた皆新しい生活や新しい夢のある未来を生きてるっていうのに
なにも変わらない
変わってしまえない僕はいったいなんだろう
風は僕に話しかける
それは悲しいねとまるで他人事のように
他人だからとせつない風を吹かしている
地球は廻る君の中でもそして僕の中でも
君のところへ形作られた明日という今日に
また僕は立ち止まり決意も新たに空を見る
夕暮れがひとりのさびしさも忘れろと
風に似た でも少し違う不器用でぶっきらぼうな優しさで満たしてくれるんだ
ちょっと風とは違う夕暮れのあたたかさにふれたから
僕は明日からまた生きられる
僕は明日も笑っていられるさ
風は花には優しいけど花はお節介なんていうかな
風がある日突然吹かなくなったらそれはそれで悲しいが
僕には夕暮れがいるけれど風はいうんだ 夕暮れも風も今ある全てがなかったら君はここにはいないと
君がいるから風もあって夕暮れも見られるんだというはじめて優しい声をきいたよ
もしも風がなかったら君はいないし夕暮れがなかったら世界も出来てなかったんだ
必要がなくなるから それを眺めきれいだといってくれる人もいないならばいらないだろうから 今日も地球は廻り運命のズレや乱れもなくくるくると真っ正面に運命の線路を歩くよ。
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