ホーム > 詩人の部屋 > 甘味亭 真朱麻呂の部屋 > 愛してるだけ届けに

甘味亭 真朱麻呂の部屋


[2573] 愛してるだけ届けに
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


瞳を閉じれば君がいて
やさしくこの僕に笑いかけてくる
幸せなんてそんなもの
ただ小さな幸せの積み重ねや集まりが
何よりも僕を強くする

ほんの少しの事で泣いたり笑ったりして
そんな連続や繰り返しが人には大切なんだ

夏の日の君に今 僕は会いたくなった
だから会いに行くんだ
なにも持たずこのまま
ありふれた感謝の気持ちを届けるために
終電間際の列車に乗り込んだ勇気ある僕

思い出が手を振っているから僕も手を振り返す 別れ際みたいな夜の列車の中

夜間列車の窓から
見えるあの娘の思い出は
運転手の億劫な
ため息にさえも色褪せない
やさしく響くメロディーの中で走る
僕を乗せて行く
夜のさえた空気につつまれながら
僕は『愛してる』だけ届けに遠い場所まで
衝動的に駆け出す

無謀なんていわれたって仕方ないんだ
今じゃなくちゃ意味がないような気がして
はじまった小さな小さなくだらない僕の中だけではじけた
思い出に帰るための旅

今 駆け出すよ

『愛してる』だけ届けに
『愛してる』だけ届けに
『愛してる』だけ届けに

今 向かって行くから
まっすぐ向かって行くから
寄り道せずに行くから。

2008/05/25 (Sun)

前頁] [甘味亭 真朱麻呂の部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -