詩人:甘味亭 真朱麻呂 | [投票][編集] |
風は音を立てずに
吹いているなんて
めずらしいもんだ
雨が冷たく感じない
なんて久しぶりだ
あたたかい涙なんて
何年ぶりだろう
久しぶりだからちょっとだけ幸せな気持ちになれたよ
幸せの四文字を見つめて
なにが幸せなのかがわからないでいるならば
周りを広い目で見渡してごらん 世界を
ほら普通に暮らせている 豊かで平和なこの国に生まれられたから
毎晩 毎朝 お昼もかかさず食べられて
なにが不満なのか
欲張り過ぎなんだ
他の国からすれば
ほしいものを手に出来ないくらいでは困らない
困るのは普通に暮らせているうちに普通の幸せに慣れすぎて当たり前に思う心さ
忘れないでこれが幸せだと見極められる心を見失わないで
少しの手に出来てる
捨てるほどあるものさえ手に出来ないものがあるっていうのに
僕らは忘れてる
欲張りすぎてる
もっともっともっと 人は願いすぎるから世界によけいな欲望という要望をほしいままに叶えたものが山積みになる
僕らは忘れてく
このままじゃ
普通な事ほど幸せな事はないんだという大事なことを
忘れてはいけないんだ
流されては進まないんだ
甘い蜜ばかり吸ってちゃ悲しい
本当の幸せには気づけないまま
くたばることこそが一番人としてもったいない
ただ 普通な人生やその中を暮らす中で
日常的にくり返すほんの些細な生活がどこかの国では望まれてるのに
僕らはそんな事も気にせずに見て見ぬ振りでさらなる幸せを
欲望だけに忠実になって欲しがるだけ
子供たちは すり減らしたちびた鉛筆さえ僕らはすぐに少し使いづらくなれば捨てていく
恵まれすぎていることほど不幸せな事はないから 幸せすぎて生まれてきてしまって裕福で過剰な贅沢な生活しか知らない人ほどあわれな人はいないから普通の幸せも味わえないどこの国の誰よりも。
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