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甘味亭 真朱麻呂の部屋


[2659] 燃ゆる季節
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]

人が歩いてきた道の距離だけ人は生まれてきたころより少したくましくなる
その道は険しく長い道だからその分たくさんの現実を知らしめられる
まだ見ない道の向こうに僕を待つ日々がたとえ僕を嫌って退屈なだけの毎日を与えたとしても僕はその中で喜びをみつけるさ

人は誰しも名もない旅人だから自分で自分に名をつける
限りある時間の中でなにかを探してる
そのなにかがまだわからないのはきっと
歩いた道がまだまだ歩き足りないから
長く感じてもまだまだこれから序の口だって事もあるから
たくさん生きる人ならそれだけの険しさと道のりがある
人生の彼方に光る夢という宝石を掴みとるために僕は明日を信じて苦しくても旅を続ける
いわば毎日が冒険だ
ひたすら追いかけてく 足の速い明日を

今 僕も旅人になって願わば誰かと同じ夢に向かって行きたい
遠くどこまでも続く道を歩いて行くカッコ悪い昔風の旅人を選ぶ
心細いから愛といういちばんの希望を連れ添って
風はいつも僕らをかんたんには進ませない 向かい風
太陽はギラギラ僕らを焼き尽くし
凍えた冬の冷たさに白いため息をつく
それでも春の国を目指して 季節はいつも巡りまた去ってを繰り返すから
春のあたたかさが冬の寒さを魔法みたいに消してしまう
時の流れが今日を連れ去るみたいに
それはごく当たり前に人の心に浸透されて行く いつの間にか僕らはそれを何らおかしいこととは想わずに生きる
僕もそうやって生きていく
そんな当たり前な旅の終わりを忘れるように永遠の旅なんだとわざと思いこませる

振りかえれば そこには過去がありもう戻れないのにそこにいたという記憶だけおぼえさせて悲しみを抱かせる
風が告げる次の季節への心にわずかある戸惑い
終わりの季節のようにやがて物語は静かに時の奥底で当たり前だった全てを空白の始まりのない永遠の闇の中へ葬るだろう。

2008/07/07 (Mon)

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