詩人:甘味亭 真朱麻呂 | [投票][編集] |
風のように旅をする旅人です 僕は
風の吹くまま思いのまま歩いて行く
旅をする間は決して急がずに確かな一歩一歩を踏みしめる
心の中 記憶に足跡を残すように
砂塵にまかれて目指してる高い塔のてっぺんまで走りきる僕
息を切らして気がつけば砂塵などなく
朝霧晴れた視界を埋めるもの
不安だらけの旅はまだ続くらしい
旅がしたいんだと願えば今日という道が目の前にのびて
でもいつか願いの届かない終わりへと行き着く
旅には終わりは付き物だから
僕があの日旅を始めたように
始まりあれば終わりもあるんだ
そんな事 いつから知ったんだろう
今までいくつもの塔のてっぺん 難なく制覇してきたけど
それはたぶん終わりのない挑戦だから
この旅にも終わりはない
また別の塔を探す
これでもない
あれでもないと
上って確かめてる
目指す場所はきっと遠い遠い場所
だからたやすくは行けないんだな
塔を上りきるだけじゃ夢は叶わないかも知れない
意味なんかないかも知れない
けれど僕は上る
また今日も
またひとつひとつ
いつの間にか塔を上ることが僕の夢の形だと想い始めていた
夢みてる地すなわち最果てへと思いはずっと流れる
願いばかり増えてゆく
そしてまた僕は次の場所へと向かう
この足で
この足を頼りにして
宛もなくただ旅をすれば夢はたやすく見つかると思ってた 焦れば焦るほど見えなくなる自分が目的としてる場所願ってる全てそれでも目的地なんか決めずただ自由な思いだけが旅の地図を描く
あてがったいくつもの絆創膏が隠す傷
消毒液でかき消した細菌汚染
傷は目に見える傷ばかりじゃない
方位磁針なんて役に立たない
人生っていう旅には決まった道順や凝り固まった順路や元からあった守るべきルールなんか存在しないから
縛られない道を行く
僕は旅人 風の旅人。
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