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甘味亭 真朱麻呂の部屋


[2787] 通算20回目のバースデイ
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]

誰かにはなんの変哲もないいつもと変わらない流れで進む日だとしても
ほかの誰かには特別なデイ
もしかしたならその日は祝うべきバースデイ

数えて20回目のバースデイ 僕はやっとという気持ちともうって気持ちで迎えたその日の朝を

きっと僕にとって今日が過ぎてしまえばそれは順番で僕にもなんの変哲もない日に変わる
そしてほかの誰かには特別な日がめぐる

そうやって繰り返すんだな 人はいろんな今日の中で泣いたり笑ったり 勇気のストロボ焚いて否が応でもがんばらなくちゃと自分を戒めて
心の映写機が映し出す映画 まん丸い瞳のスクリーンに
いつかスイッチを切るように消えてしまうから
少しでも誰かに祝ってほしいんだよ
この日ばかりは
生まれた日だけは
僕にとって特別

もう会うことできないな
言葉さえ交わせない
母のあの嘘みたいな笑顔

あなたが空に旅立った日からいくつこの日がきただろう
この日は皮肉にもあなたが死んだ日で
祝いたいのに祝えないよ
祝福してもらえないよ
特別でおめでたいのに ねぇすごく悲しい日だから
複雑な日さ
複雑な日に変わってしまった

あんなにあなたはこの日を毎年喜んでくれたのに
祝わないのも悪い気がするけど祝えないよ
あなたが亡くなってしまった日だもの
あなたが亡くなってしまった日になど

もう未練など断ち切ったはずなのに
あなたは祝うこと許してくれるはずなのに
いまだどうしてなんだろう 本気で喜べない

あなたがこの日に旅立ったから
本来は祝うべきはずの

悲しみと喜びが交差する日
でもやっぱり悲しみがつのり喜びを遠ざけるように押しのけて
通算20回目のバースデイもなにを祝うこともなく
僕はいつもとなにも変わらない日のように過ごし終える
僕の誕生日はあの日あなたが死んだ瞬間で永久の闇に消えた。

2008/08/23 (Sat)

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