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甘味亭 真朱麻呂の部屋


[2827] やさしくなれる夜
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


好きなものに囲まれて僕は生きていたい
いやなことはずっといつになってもいやなまま
好きなことにだけ興味を寄せるんだろう

今 目の前にあらわれた明日への扉を勢いよく開け放しまして
そして夢は終わる
気がつけば涙の海
僕は笑えている
僕は泣いている

どこまでも同じ空と変わらない毎日
死んでしまうまでずっとこのままはこのままさ

ちょっとせつないからあたたかい涙がほほを流れた 夜に
そっと窓の外に目をやる 体勢を低くして 月の姿を瞳でとらえる

そんな夜にはきっとやさしくなれる
きっとやさしくいたいと思う限り
夜は何度でも僕の元にやってくるよ

心のドア ノックするみたいに
マイウェイ はるか続く
瞳の奥 流れ星が駆けてゆく

やさしくなれる夜

こうしてまたひとつ僕はやさしくなる代わりに命を空に捧げる
ときに笑いながら
ときに泣きながら
自ら望むわけじゃないけどやさしい人でいたいという願いだけはウソじゃないのです

やさしくなれる夜

更けてゆく

次の夜がくるまで
やさしさはお預け
あなたにだけにお預け
目に映る景色が
真っ黒く輝くまで
あなたにだけに捧げる

この愛を
このやさしさをぜんぶあずけましょう。

2008/08/30 (Sat)

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