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甘味亭 真朱麻呂の部屋


[2895] 哀愁一番街
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


街並みは今日もチックタック 時間を気にして迷うことなく走るよ
騒がしい街並みを眺めて時間との追いかけっこの始まり始まり
その勝負の結果は如何に
どこかへと飛んでいきたい気分なのに
ずっとこの街に心縛られたまま身動きさえとれないよ

遠ざかる日々を後ろにして過去と呼ぶ悲しさよ また出逢う日はいつの日か
叶わぬ願いと知りながらその日を待つ

きっと僕ら もうどこへも行けないさ
この街が好きだから
この街に住みすぎたから
この街ほど居心地がよくて馴染み深い街はないから
きっと肩身の狭さに窮屈さを少し感じてもこの街から出ることはない

確信してる僕は恐ろしいなあ

鼓膜をはなれてくだれかがうたう街の唄 どこか懐かしげな哀愁ただよう懐かしのメロディ

この街に長く居着いた旅人がつくったとされるうた

それさえ疑わしいけど本当ならば僕もあこがれちまう

古いギター一本背に抱えて
旅人は消えていった
僕とは違い
ほかの街へ
ほかのロマン求めて
この街にはない
哀愁探して
哀愁一番街に今日も香ばしい思い出の苦い味
アーモンドの香りと甘いミルクの匂いがして
少しだけ思い出にかえれる気がしたよ

この街はおとずれる人に涙流させるくらいの夢をみせる
夢をみせる
哀愁一番街
かつてあの旅人も名も残さずに幾日か居着いていたという

哀愁ある 懐かしさが住まう街
思い出にかえれる街
哀愁一番街 哀愁一番街 ああ
思い出にひたれる街

消え去った記憶を大事にできる街

コーヒーの香りと霧深い街並みが印象的な街イメージはロンドン
哀愁一番街
哀愁一番街
お越しあれ
お越しあれ
旅人でもそうじゃなくても
あたたかく迎え入れてくれるさ 思い出 たちが

ラララ…。

2008/09/13 (Sat)

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