詩人:甘味亭 真朱麻呂 | [投票][編集] |
人は時間をかけて
人生という一生の飲み物を飲みほす
それまでの時間の中で生きるもんだ
今日という時間も
気づけば僕は飲み干してた 見れば瓶の底には一滴すら余ってなくて
飲み干したせつなさに心焦がれる
見上げた夜空の星が語る
君はきっと幻じゃないよ 下手な慰めくれるより時間を増やして欲しいのに
完璧な生き方を求めるあまり 何か大切なもの見失ってた
時間が時間だけに
おちおち昼寝もしていられなくて
完璧じゃなくたって
いいじゃん 人間だもん
それでいいじゃん
だれかが詩にしたように
きっと今日も素敵な詩になるね
消えるから悲しいんじゃなくて消えてこそその美しさはさらに引き立つ
昨日までは瞳に映っていたはずのほんの24時間が数秒もかえらないことに腹をたてても
見えてる景色は同じなのに
歳をとっていくのも少しずつで
気づかないあいだに人は一日二日じゃわからない時間の魔法にずい分してやられてる
24時間の魔法が消えた瞬間 その一瞬のまたたきがまばたきする間(ま)に別の今日に変わるらしい
そんな嘘みたいなくり返しが今も僕を地球という馬鹿でかい檻の中で飼いならす
餌をほしがればだれかが同じ思いをもって願いを現実にするように欲望には限りがない すべてが現実になるとは限らないけど
終わるまでにすべての人の願いが現実になるとは言いがたいけど
きっとずっと先の未来で何かが待ってるのは確実さ
新しい時代の到来に心躍らす僕ら
落ちる陽もあれば沈む陽もあるから
陽が落ちたなら同時に沈む陽があるよ
時代がうまいことあかないようになにもない時代にならないように ちゃんとその時代に合った色や景色をまき散らすよ
昨日のせつなさも
明日への不安も
焦げたような空へただ水に溶けるように消えてゆくだけ。
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