詩人:甘味亭 真朱麻呂 | [投票][編集] |
今日はメリーメリークリスマス 白い雪が
この街にソリをこいでサンタがやって来る サンタクロースの国から
赤い洋服を着て白い髭を生やしたおじいさん
それがサンタクロースのよくあるイメージ
だけれど今夜はそれを覆す サンタクロースのダサいパパがボクに今年も枕元にプレゼントをこっそり置くだろう
パパはボクが気づいてないって思ってる
あの日の夜 ボクはサンタクロースの正体つかんでやろうと夜遅くまで起きてたんだ
バレないように半分目を開けて
うかがってたよ
そんなことだろうとは思っていた
でもパパ 夢を壊したとは思ってないよ
ボクは知ってたから
サンタクロースなんて元から信じてやしない
だからサンタクロースはボクのところには来ない
サンタクロースはすべてお見通しでよく眠るサンタクロースの正体なんて気にしないそんないい子にだけサンタはプレゼントをあげる 白い袋いっぱいの夢をあげる
夢の答を知ったらきっとすべてが落胆するよなもので
この聖なる冬の夢が終わるときはこの雪が溶けるときだ
みんなは目覚めて
いつものようにまた変わらない日々を繰り返すのだろう
やがてサンタクロースなんて忘れるほど忙しい大人になるよ
忘れ去られたらサンタクロースは跡形もなく消える
逆に人の心の中で覚えていてもらえる限りサンタクロースは居続ける
子供たちみんなの冬のヒーローとしてこの街を白く染めにくる サンタのおじいさん信じられなくてごめんなさい
魔法を抱えて笑うサンタはそんなボクに窓辺に手招きしてほら素敵な景色だよ
すっかり積もった雪を指差し
パパサンタは笑っていた
それでいい
パパのやさしいお芝居に 心遣いにつきあうかな
来年も 再来年も
大人になってもずっとパパはボクだけのサンタでありますように
本物のサンタクロースに頼んだ
冬の神様のようだから。
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