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甘味亭 真朱麻呂の部屋


[3083] 心の雨がやまなくても
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]

なにかイヤなことがあって生きることさえイヤになっても明日になれば笑えてる自分がいる
昨日の悲しみさえまるで夢の中の出来事のように語る自分が歯茎が見えるほど笑ってる 反省の色さえないほど誰かのせいにして自分だけが正しいと幼いことばかり積み上げながら
悲しみが嘘のように心の奥で咲いては散ってく日々
その残骸がいくつも数えられないほどあるよ

穴があったら入りたいくらい今ある現状からすかさず逃げたくなる日でも
心の雨が想いとは反してぜんぜんやまなくても

僕には明日があるから
いったいいつまでつづくんだろうか
自分と自分を鏡に映して合わせ鏡するようにどこまでも自分の心の中には自分しか見えてない

その罪を今もしも償えるならなにを僕はすればいい?
今さらなにもないよとあなたは言うでしょうか

生ぬるい午前中の時間に肩まで浸って
いつまでもいつまでも過去のあやまちをみつめていた
心があらわれるほど澄みきった冬の空にあの日を重ねてた

そんな僕をあなたは今知ったとしたらはたしてどう思うのかな
なんて考えるたびため息でメガネが曇る
立ち止まる道の途中 ポケットの中にしのばせた両手を空にひらいてつかんだつめたい雪の粒

僕はからだ全部で抱きしめた

冬の空気はあのあなたの僕をみつめるまなざしに似てとてもつめたくするどい
そのまなざしがいつかあたたかなまなざしに変わる日をきりもなく待ってた
宛のない返事のかえりを待つ人のよに

長い冬の始まり
今 その線を踏み越えた
僕はもう過去にはかえれない 今さっきにもあの日にもどの日にも
なにを残しても
あやまちおかしても
かきかえられない
そのまま事実として後々の人生にも残る とうぜんだね
ただ手のひらで一秒とかからず消える雪と瞳に映ったらすぐに終わるほんの瞬間の時がとても名残惜しい。

2008/11/08 (Sat)

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