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甘味亭 真朱麻呂の部屋


[3118] 愛の小宇宙
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


隣の奥さんは旦那さんと今月中には離婚するらしい
別に僕にはなんの関係もないけど
風のウワサで小耳にはさんだだけ

自分のことには早耳ですぐ気づくくせに
他人のこととなるとまったくの無関心
つねに頭にあるのは自分を中心とすることだけだよ

自分という銀河系の周りをまわるのはまたしても自分で他人などずっと彼方見えないくらい
そのすべてが宇宙
他人のことも考えているよなんてどこまで僕って人は勝手なんだろう
自分で自分に言ってみたり なんてね

少しは他人のこと
世の中のこと 気にかけるべきだよ
新聞読むなり
テレビで情報集めるなり方法は様々だろう
なんて言う奴らのうるさい声が今日も耳の奥で耳鳴りのように長い余韻を残し響いてるよ

自己中心的人間たちの宇宙のすべてが破滅するときは
きっとこの世界が破滅するときだろう
ばかに処方する薬はないんだと薬剤師は熱く語る だから

自己中心的人間たちのに言える言葉などもうたぶん残されてない
せいぜい自分で治すことだな!
僕よ おまえよ
全世界の自己中心的人間どもよ

自業自得だよ

せいぜい苦しめや

宇宙の彼方で叫ぶ被害者たちの声が今ならなんだかわかるよ
でももう遅いかな

宇宙はもうここにはないし
それでも手のひらにおさまるくらい小さな宇宙ならここにある
ほら 君っていうもの好きな人がなぜってくらい愛しくてまぶしくって

僕は幸せ者だって感じたよ
だからもう自己中はやめてみんなのこと
世界のこともう少し考えるよ
今 何かが変わった
自分の中で
こころの中で
そんな気がする
ある日、雨のあがったあとに出かけた公園のブランコ漕ぎながらそんなこと考えていたよ

わがままに広がる無限なる宇宙はもうない
あるのは君っていうお手ごろの広さにとどまる愛の小宇宙だけ。

2008/11/15 (Sat)

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