詩人:甘味亭 真朱麻呂 | [投票][編集] |
恋の花が庭先で笑った
小さな子供のような無邪気な笑顔
空は夕暮れ間近のオレンジ色
雲がプカプカ浮いていて
君とキレイだねなんて話す僕
君は気づいていたのか
残り少ない命を
君はわかっていすぎたんだ
知らなければ
あんなに怯えることもないんだろう
君は僕と居るときには笑って強がってるけど
僕は知ってる
君の涙を
これから死ぬっていう人間が本気で笑ってなどいられないことぐらい
考えなくてもわかってるから
君はわかりすぎていて悲しいなんてものじゃなかったろ
それなのに…
君はやさしい人だ
神様はそれなのに
こんなやさしい君を死なそうとする
皮肉なんだよ
運命って奴をこれほど憎んだことはないよ
だけど
君はそれでも僕を悲しませまいとして
最後まで僕に涙を見せず
笑っていてくれた
僕には何もできなくて
役立たずだとよばれてもいいくらい
君には何もしてやれなくて
それでも君は笑って許してくれた。
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