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甘味亭 真朱麻呂の部屋


[3299] やさしい夕暮れ
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


一日中閉じていたみたいに夢心地の目を開けてみたらそこはもう夕暮れだった
カラスも屋根の上から一声鳴くと巣まで飛び帰ってしまった

僕の場所は夕暮れのどこにあるだろう
探してみたけれどそれらしい場所はなかった
代わりに夕闇が夜をつれてきただけ
しばらくすると朝になって夜は明けてた

それでも今日も気づけば視界いっぱい夕暮れ空だね
家に帰る人たち 秋のもの悲しい雰囲気
遊んでた子供もお母さんに手を引かれて帰るよ 今思い出した 僕もちっちゃかった時はこんな風だったな

大人の僕を迎えにきてくれるのは今はお母さんじゃない
大好きな君だよ
消えてく残像 幻を追いかけながら お母さんの背中に手が触れた瞬間それは君の手だったよ
何?どうしたの?って君はいいながら
ご飯だよって言ったね 僕は頭をかきながら笑ったっけ

帰ろう 大人になったって僕はずっと夕暮れの中では幼いあの日に帰れるから
目覚めればいつもそこは夕暮れ 視界いっぱいのだいだい色の空
目覚めればいつも夕暮れていた 視界をにじますほどきれいな空

どうして夕暮れはこんなに泣けちゃうほどきれいなんだ 懐かしいんだ
心が修整つかないくい揺れるよ
ゆらゆら ぐらぐら
夕暮れの中で僕は夢をみていた

ああ 帰ろうか
素晴らしい現実へ
今日も夢を見れたから
たしかに君といる毎日は素晴らしい
だからこそ思い出を忘れたくない いつまでもやさしい気持ちでいるために
夕暮れは人の心をやさしくしてくれる色
青空は人の心を元気にしてくれる色
そんなふうに僕はいろんな色に囲まれている
そして今僕はやさしくなるために夕暮れのだいだい色に染まるんだ 体中
愛してる 愛してる
いつでも言えるように夕暮れにやさしさをわけてもらう
夕暮れはやさしい色
ああ やさしい夕暮れ
今瞳の中にも果てしなく広がる。

2008/12/13 (Sat)

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