詩人:甘味亭 真朱麻呂 | [投票][編集] |
あなたはなぜ生きているのですか?
あなたはどうしてここにいるのか?
そんなのきかれたって知らないよ
気づいたら僕は生まれてたんだ
それじゃ答になってませんね 問答無用で失格です
あなたはなぜ泣くの?
あなたはどうして理不尽に反論せずヘコヘコしたがうの?
自分というものをもってないの? 機械なの?
それは違うよ したがってるのはそうでもしないとまっとうに生きさせてくれない世の中だから
そんな問いかけと選択ばかりの毎日
でも決まった答なんかない
答のない問いかけ
真実は人によって変わってしまうから
生きているのも生きていくのもまったくの自由だけれど
その痛みや苦しみや後悔は保証されないんだよ
だから生きる
仕方なくてもそれが運命と腹を据えて
人は繰り返す
めぐりくる明日をその身に抱く
流れる時間をその身で受け止める
見送らず 見送られずただ工場のベルトコンベヤーの流れ作業みたいに当然な顔で作業をつなぐ
真っ白なパンの上にハムやレタスを乗せるように決まった行程を決まった手順でこなしてゆく
腕が麻痺するほど
感覚がなくなるほど繰り返す
そう 繰り返す
何度でもくたばるまで続きます
まだまだやめられない
やめたくない何かが人にはあるから
その餌となる光のために人は繰り返す
絶望に生きる希望や自分のすべてを奪われないかぎり繰り返す
それが常だ
人にはだれにも迷いや悩みがあって 痛みを抱えている、その中で笑ったりうれしいことにであう
そんな当たり前な感情すらもう麻痺してとてもじゃないけど本意には喜べない
半分以上嘘で気持ちを偽る
腰を下ろせる場所をたださがして
暗闇の中を手探りに進んでく
その恐怖といったら言葉にならない
もう一度、同じ質問をきかれても きっと答は同じ
それは僕の意志とは関係なく勝手に始まった事だから…
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