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甘味亭 真朱麻呂の部屋


[3341] 人形が自ら口をひらく時
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


僕は世の中の操り人形じゃないから
いいように使わないで 使うならばもっと大事にして利用価値を考えて手荒に扱わないで押入にしまわないで
困ったときだけ駆り出させる身勝手な世界にそろそろ嫌気がさしてきました

僕のこの口は社会っていう腹話術師にしゃべらされる
切れ込みが入った口をパクパク動かすだけでみんな笑顔になる
だけどそれは僕自身の気持ちじゃ決してないんだ
ありえない!

背中にあいた穴から手を入れられて手足を無理やり動かされて
雁字搦め 自由に動けない事をいいように好き勝手 動かしやがって 本当はもうとっくにやかんも沸騰するくらい感情は噴火してるんだ
真っ赤っかに熱を発してる
ただそんな気持ちも表に出せないから憎しみも自分の中で爆発させるしかない
ストレスになる
トラウマにもなる
耳から目から口から尻の穴から煙がプシュー

世の中は決して嫌いなわけじゃないが
僕らはそれに頼らなければ生きていけないわけだしね
喜びにひたる今でさえ世の中あっての喜びだと笑いたくはないが
我慢にも限界というものがあるから
決して世の中の悪いとこだけ並べるわけじゃないけど
ただこのところ扱いがなれなれしいぜ
僕のほうだって世の中の為とは思わなくてもしっかり毎日働きに出かけてるのに…

それさえ当たり前だと常識の前では努力も頑張りも当然のごとく皆一緒だという言葉で片づけられてしまう
しまいにはハイハイなどという気の抜けた返事でいいから働けと
一体なんだと思ってるんだ 俺たちを
僕という人形がいてこそ世の中は回るのに
僕がいなけりゃ世の中なんて仕事をなくした腹話術師だ
売れるわけもないぜ
少しは感謝してもらいたい
意見をいう立場じゃないと決めつけんな
僕だって世の中を動かす歯車のひとつだ 嫌々でもしっかりお利口な人形やってやってんだからな!!!

2008/12/20 (Sat)

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