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甘味亭 真朱麻呂の部屋


[3465] もう時間だよ
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


例えば明日 僕が死んでも誰もその事に気づかないとか
例えば今日 僕がケガをしても自分の不注意とはいえなぐさめてくれる人がひとりもいない瞬間とか
例えばいつか 僕が大切だと思っていた人に裏切られて孤独に突き落とされてしまうとき

心の中に僕の生命力で浮かべる紙飛行機は静かに落ちるのです
笑顔もテンションも抵抗することもなくカンタンにゆっくり落ちていくんだ

もう時間だよ
そんな言葉で終わる人生ほど悲しいものはない
そんな言葉で笑う人くらい悲しい人生歩んできた人はいないよ

だから少しは笑いなよ
どんなに空が曇っててもその向こうやその次に期待を重ねて
笑えなくても笑い方忘れてもそれなりに喜んでみなよ
なんて僕が僕にいう日には死ぬよりつらいかもね

今だから言える
今しか言えない

そんな気持ちはゆらゆらと悲しくため息に揺れる
心の中にある風車は風もないのに勢いよくどういう風の吹き回しか回りだす

サヨナラとだけ告げたらあとはただ時間を待つだけ
カンタンだ
カンタンだ

悲しい悲しい物語はそれですべて完結

そんな人生いやなはずなのになぜか僕は握りしめていた
ため息で終わる1日をつなぎ止めるだけの毎日を繰り返しながら
なんの楽しみも笑える話もなく
また今日も夕暮れてやがて夕闇にのまれる
永久に続きそうな闇が夜の帳がおりた空のずっとむこうまで広がって
ただそれだけ
ただそれだけが見たいと下手な嘘で生きる意味を偽装する
死にたいとはストレートには言えないだろう。

2009/01/08 (Thu)

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