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甘味亭 真朱麻呂の部屋


[3595] 幸福の味
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


たいして幸せでもなく
かといって不幸でもない
いわゆるところのふつうっていうような日々さ
それなりにうまくは暮らせている
そう思うよ
気がついたらあれこれって思いつく幸せな場面がある
そんな気持ちがこの一日の中にも探せばちらほら

大切なのはそれに気づける心
大事なのはそれをばかばかしいですまさない気持ち
ほらね わかるでしょ
これこそが幸せっていう味なんだよ
わからなきゃさっそく見渡してごらん
遠くまで 晴れ渡った青空がのぞく景色
僕は意外と幸せだったんだ
ときおり悲しみの雨が通り過ぎても
この先に待つ喜びがあるから平気な顔で雨合羽着て明日へむかえる

何気ない瞬間や場面が僕の幸せ
もっともっと感じたいな
そんな気持ち
また食べたいよ
幸福の味
これ以上でも
これ以下でも
いけない味だから
今のまま
今のまま
ずっと暮らしていけるように願う
気持ちがシャボン玉みたいに空へ昇る

僕の顔にいつの間にか笑顔
涙で濡らしたぐしゃぐしゃな顔もその一回の笑顔で帳消しさ
大丈夫
たんと召し上がれ
頑張った自分へのご褒美だ
皿に山盛りの小さな幸福のひとつひとつがごちそう
ぜいたくは言わない
むしろこっちのほうがいい
それが幸福の味
ほらね 完食
腹八分目
でもそれくらいがベスト
食べ過ぎればね腹も下すし悪いことばかりだ
このくらいがちょうどいい
幸福の味なんだ
幸福の味なんだ。

2009/01/30 (Fri)

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