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甘味亭 真朱麻呂の部屋


[3667] まんまる満月の夜に
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


悲しい気持ちを胸に抱いていつまで僕はこうやってウソの笑顔で悲しみ隠していくのか

飛び立つ翼も真実と偽りを見極める瞳もなにもない
つくりだした方程式はゆがんだ光で錯乱状態のまま本当の正義を汚す

ただ人々は凝り固まった正義を振りかざす
常識を盾にして僕らの言い分をはじき落とす
縦にのびたグラフは決して横へはそれない

鳥のようにどこまでも自由な空へ羽ばたいて
画家のように素晴らしい色彩で世界を彩って高い高い塀の上で人権を再度叫ぶのさ

紫色に変色した空を眺めてたら流れ星が光りながら瞳の中を右から左へ流れ去っていった

悲しみはまだぬぐい去れないけど
きっとバラ色の明日へとこの路は続く
未来はすぐそこにあるはずだ
悲しみはすぐに忘れられる
悲しみが消えないならそれ以上の喜びを手に入れればいい

悲しみがつのる夜には
さらなる悲しみで痛みを消すんじゃなく
悲しみかつのる夜なら
それに勝る喜びで痛みをいやせばいい

半分に欠けた血だらけの月が悲しみに嘆く僕らを見て笑ってる
赤い空は燃えるように理不尽極まりない運命を背負った僕をやさしく抱きしめる
それなのにそんなやさしささえ出来すぎのからくりなのか
ゼンマイ仕掛けのおもちゃみたいに回しさえすれば誰にでもやさしさをくばりやさしい笑顔を見せる
そんなからくりなら不幸だなと思うよ

そんな夜には星が蛍のように飛びかう
見上げればまるで天と地がひっくり返ったかのようなにぎわい
笑顔あふれる愛すべき夜
悲しみに負けたくない気持ちが闇を引き裂いて光をつれてくる
ヒーローみたいに僕らの前でマントをひるがえして悲しみをもらってくれた

まんまる満月の夜に
不思議な夜に僕はいたんだ
まんまる満月の夜に
不思議な夜が僕を笑わせた

とても悲しいのになぜか幸せ感じるこの気持ちがミステリー

2009/02/15 (Sun)

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