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甘味亭 真朱麻呂の部屋


[3969] 短詩
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


思うままに生きてみよう ぼんやりとした理想でも旅に出る理由にはなる
それがやがて大きな夢になる
だから今は目一杯靴を汚そう
目的なんかなくていい
気の済むまでこたえを探せばいい
きっとその繰り返しの中でこたえは見つかるから
今はただぶらぶらしていよう
旅人気取って旅だと銘打って。
↑「旅と人と」

未来がそこにあるかぎりきっと今という時間は消えない
健康に生きる人
途中で自ら死ぬ人
病気で 寿命で 事故で仕方なく死ぬ人
そんな何が起こるかわからない人生の中
僕はたまたま人間でたまたま生まれた
何本か投げられたうちの一本の矢
それが僕だ
だから不思議な事じゃない
神様もいない
宇宙人もいない
だとしても僕はいる
だからロマンを夢みる
神様も宇宙人も奇跡も信じたい
見たことはなくても信じたい
そんな気持ちがなにより明日を生きぬく力になるから
↑「ヒューマン」

君がいる 僕がいる
君から見たら僕はここにいる
僕から見たら君はそこにいる
いつでもそこに ここに誰かしらいる
大切な誰かが
嫌いな誰かが
愛しい誰かが
視界に入り景色を遮る

だから目をそらせない現実からも人生からも
そこに見えているから
僕はたしかにあるものを消せはできない
だからそれから逃げられない 気づかなくてもいるから

鏡を見なくても
僕がいる そしてうしろに君がいる 気配がする匂いがする

でも視界に映す
そうすると安心するから
やっぱりいたんだって思えるから

僕は眼に映してはじめてわかる
あなたの存在のあたたかい大きさや形に気づく
僕は不器用だから目で見ても安心できないから触れたり見たり聞いたり嗅いだり
様々な事をして君がいるのを確かめる
自分が生きてるのを確かめる
そうすることで人は人になる 君も。
↑「生存確認」

2009/04/21 (Tue)

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