ホーム > 詩人の部屋 > 甘味亭 真朱麻呂の部屋 > 悲しみを受ける傘もなく

甘味亭 真朱麻呂の部屋


[4218] 悲しみを受ける傘もなく
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


悲しいことがあったってさ 笑顔なくしては生きていくのもイヤになる
僕らは笑顔と涙の使い分けが上手だから滅多な事じゃ空へは昇りはしません

悲しみは誰の心にも降るからさ
自分だけが悲しいと信じないでね
喜びでまた心が晴れ渡ればさ
また無神経に笑える自分がいるじゃないか

大丈夫だよ
気づいたら
何もかも
過ぎるから
死の扉の前
立てばもう
悲しい日さえ
取り戻せぬから
羨ましくなる
ちょっとの自由さえ

だから僕は悲しみとおそるおそる手をつなぐ
その指は冷たいけども

頑張るから

そんな言葉で悲しみをやり過ごそうとしても僕には悲しみを受ける傘もなく
じかに浴びる雨がつめたい 体中 しんから冷える
そんな感じ

それでも進む僕は偉いかい?

それを当たり前だという人
それを素晴らしいという人
ただ無視する人
世の中は十人十色
しかたない

ただ僕は ただ僕は流れに身をまかせ逆らえるところは逆らい進むだけなのさ

バケツをひっくり返したような雨の日
そんな日も笑って笑って迎え撃て
僕はきっと乗り越えれる
あの雨の向こうにはきっと虹が咲く

きりもなく疑うこともなく雨の中
頭から突っ込むバカな僕
負った傷は勲章だ
流した涙はメダルだ
僕は繰り返しいう

笑え 笑え!

僕はこれでも正気だ

笑え 笑え!

僕はそれでも進むよ

僕の権限で

傘も意味をなさず
真上に開いてしまう風が強い日だって歩みを止めるもんか

僕は叫ぶ 叫ぶ!

2009/06/03 (Wed)

前頁] [甘味亭 真朱麻呂の部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -