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甘味亭 真朱麻呂の部屋


[4313] ひとりドライブ
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


おもちゃ箱をひっくり返したようなハチャメチャな未来をイメージしながらも
バケツをひっくり返したようなどしゃ降りな未来もイメージしてた

とてつもなく長い夜にからだを焦がされ ぶん殴られズタボロのぼくは夜の片隅で笑顔なのか涙なのかわからない表情で生きるのに疲れたって若者らしからぬ言葉で眠りに落ちた

どこまでもどこまででものびた道
吐き気がする街のネオン遠く眺め
黄昏 酔いしれた気持ち かっこだけつけてあとは知らん顔
オチもなにもないぼくのショート劇場
拍手もなくむなしいままに終わった
ハンドルを握る手に力がこもる
行き先はマイホーム

なんとなくクルマ飛ばして走り出した真夜中の衝動
なんとなく遠くに行きたくなってあてどもなく走らせるクルマはオンボロのマーチ
タイヤはぼくと同じですり減っている
だけれど素晴らしい相棒

真夜中のお散歩だ
ダンディーな男の休息だ
昼間の骨休めだ
良いもんだぜ!ひとりドライブって
良いもんだぜ!ひとりドライブって

ただ日常の悲しみは消えないからそんなときでさえ煙草は増えに増える
灰皿からもはみ出すほどのヘビースモーカー
だけれど気にしないでゆこう
肺ガン予備軍
特攻隊
向かうは病院
されど
素晴らしい未来
人間ドックより
今は
男なら気取ったドライブしよう
女なら
エステにいって
自分を磨こう

みんな誰も同じようで違うひとときの楽しさを見つけて日々ドライブしまくるのさ
ぼくもだからドライブしよう
ぼくもずっとドライブしよう

棺桶 抱えた
死に神がぼくをむかえにくるまではさ

ひとりドライブは続く
明日の明日のそのまた明日の向こう側のずっと先へも続く道をゆくのだ!

2009/07/02 (Thu)

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