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甘味亭 真朱麻呂の部屋


[4322] ひまわり男(マン)
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


夏の匂いがあけた窓からそっと吹きこむ
夏の形を庭に描いたように気がつけば部屋には誰が用意したかブタの蚊取り線香
そして庭の畑にはひまわりが揺れる

夏は蚊も多い
夏はやたら蒸し暑い
いやなこともあるでしょう
だけれど夏は暑いから夏なのさ
暑くなかったら夏じゃもはやないでしょ

夏の扉を開きにちょっと外に出ないか
暑いからって部屋の中涼んでいてばかりじゃもったいないよ
せっかくの夏の暑さを逆手にとりまして海にゆこう 海水浴にゆこう
面倒だわって渋る彼女を連れだして
彼女のその気持ちを裏切ってやろう
いい意味で

幼いころに見たきれいな花火
懐かしい田舎の風景
見慣れた街での風景
いろんな夏の思い出が僕にはわんさかあるからね
歳の数だけ僕は夏を知り夏を味わってきたはずだから

夏に夏に染まろう
暑さなんて飾りだ
本当の夏を楽しむためなら夏の暑さなんて気にせず倉庫にしまいこんだ自転車飛ばすだろう
タイヤ空気入れて

僕らの夏がいよいよこの街にもやって来ました
蒸し暑さ 蝉の合唱
夏を盛り上げるオーケストラ 大事な大役でしょ

夏をカラダ中で感じてみよう
夏の陽射しはささやかなシャワー
洗い流すのはいやな思い出 汚い自分の反省点

さあ 自転車 飛ばして夏は君を待ってる
手を振って腰も振ってどうせならこっちから会いに行きたいくらい
夏は憎らしくなるくらい大好きな季節で
そんな夏の風景が僕にとけ込んでく

カランとコップの中の氷が溶けて音立てたら
扇風機が回るように僕は元気よく陽射しの下 咲くのさ
ひまわりみたいに

僕らは誰の子?
風の子?
いや違うね
夏の子さ

坂道 全速力 駆け上がり勢いもよくくだれば見えてくる海
夏が呼んでる気がした
だから僕らはその誘いのままにひまわり男になるのだ!

2009/07/04 (Sat)

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