詩人:甘味亭 真朱麻呂 | [投票][編集] |
僕の涙を
僕の姿を
隠してくれて
雨よ
どうもありがとう
見せたくないんだ
こんな姿なんて
だれにもだれにも
まさか君になど
絶対にね
だから
雨が降る日は
涙を流すにはちょうどいい
ありがとう
つい言ってしまいたくなる
雨にありがとう
町は雨に濡れ
まるで別世界
だけれどどこか
静かな絵画の中みたいでロマンチックさ
横殴りの雨にぬれながら 走る 僕がいた
涙は雨に紛れて見えないから胸の悲しみ大いに傘の下形にできる
彼女から別れを告げられ僕は 僕は気づけば走っていた
逃げ腰の恋
君との恋はすべて
逃げ腰の恋
馬鹿だと雨も笑っているのかなあ
だけれど雨よ
ありがとう
おかしなもんさ
こんな僕
こんな気持ち
やけ食い
やけ酒
…あと何がある
いいや面倒だ
眠っちまおう
明日なんて来なけりゃいい…なんてひとりごと雨に聞かせた
彼女は今 どこに
彼女は今 なにを
気になってしまうね
雨よ 部屋の中じゃ味方になってくれないか…。
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