詩人:甘味亭 真朱麻呂 | [投票][編集] |
たまにはひとりでどこかにお出かけ
電車に乗っかって
適当な場所で降りる
着いたら着いたで適当にぶーらぶら歩きゃいい
買いたいものがあるわけでもなく
あっちの店へこっちの店へ梯子する
気づけばさ
空はオレンジに染まり
カラスの鳴き声なんかしちゃってさ
なんだか切ないような儚いような
そんな感じ
そろそろ終電に乗らんと帰れなくなる
二分前
一分前
30秒前
ギリギリでドアに飛び込んだ セーフ
もうすっかり辺りは暗くなって
街の明かりだけが気味悪く煌めいてた
こんな風に
たまにはひとり
遠出をするのも
悪くもないかな
終点のアナウンス
私は重い腰を上げてドアをでる
電車を見送る。
[前頁] [甘味亭 真朱麻呂の部屋] [次頁]
- 詩人の部屋 -