ホーム > 詩人の部屋 > 甘味亭 真朱麻呂の部屋 > 青すぎる空

甘味亭 真朱麻呂の部屋


[585] 青すぎる空
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


僕の見上げる視界の先に映る青い空
いつの間にか僕は大人を名乗り
心はあの頃と何ひとつ変わらないまま
今も青い空の下
ワガママな歌うたってる

僕らの毎日はまるで電光石火の如く明日へと駆けめぐる
強い突風に振りほどかれないように
僕は必死になって暮らしにしがみつく
憂うつという重荷を背負ったまま

何度も現実に殺されかかって
悲しみに臆する度
自分の弱さや至りなさを知った
汗と涙の果てにある眩い光も知ろうとせずに
ただ現実を直視することを怯えていたんだ
雷雲の向こうのそのまた向こう
晴れ渡る空へ飛ぶことに恐れて

君の瞳にも映っているかな
あのどこまでも続く青すぎる空
幾つも季節を通り過ぎ
何度も挫折を味わって
それでも夢見ることを止めなかった
あの青すぎた僕のように
君もいつか叶うことの不確かな夢を見るのだろうか

そうだとすれば
きっと きっと
君も僕と同じに傷だらけになって
目いっぱい油にまみれて
それでも朝焼けを目指す
よろめきながら
たじろぎながら
泥と涙を飲み込む
あの青春という名の泥臭い日々に焼かれるのか。

2007/03/03 (Sat)

前頁] [甘味亭 真朱麻呂の部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -