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甘味亭 真朱麻呂の部屋


[604] 暗やみとおぼろ月夜
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


暗やみに一際大きく輝くまん丸な月

耳を澄ませば遥か聞こえる虫の鳴き声

胸にあるのは月並みほどの大きな傷跡

思い出すたび胸の辺りを言い様のない痛みがおそう

高い高い屋根の上
尖った尖ったナイフのように
月が鉄塔に刺さっている
まるで大きな大きな鍵穴のようだった

暗やみにおぼろ月夜
ゆらりとうつろう
時の流れと微かな脈動
まるでそれは夢のような現実味を欠いた朧気な光景

そして深い闇が僕を楽しい夢へと誘う
あの日の悪夢から
まだ解放されていない僕
それでも夢はいつになろうと楽しく面白いものだ。

2007/03/05 (Mon)

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