詩人:甘味亭 真朱麻呂 | [投票][編集] |
他人とは違う何か特別なものいつも手にしていたくて
少し無理をし過ぎたのかな
とにかく相手より勝った何かがあればよかった
だからそのためには手段を選んでる場合じゃなかった
湿気た火薬を意味もなく握りしめ
熱さに耐えて得られたものはやっぱり意味のないものばかり
心にはいつの間にか誰かを羨んで積もっていった灰が残っているだけ
このまま何処を目指して
何処へ飛んでいくのか
行き場をなくした翼は意味を成さない飾りになるだけ
飛び立つ先はきっと誰も教えてはくれない
自分で見出さなくちゃダメなんだ
特別なものばかりかき集めたって無意味だってことに今さら気づいたんだ
後になって悔やむことそれが後悔
今胸の中を隙間なく埋め尽くすよ
飛び立つための翼さえなくした僕に起死回生の手だてはない
ただ飛び立つ誰かを見届けてやるだけだ
瞳をぬらしながら
心を青く染めながら
ただ飛び立てぬ悲しみを必死に押し殺すだけだ。
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