詩人:甘味亭 真朱麻呂 | [投票][編集] |
小川のせせらぎ
澄み渡った空
甘く熟した果物や木の実
誰かの弾くハープの音がきこえる
でも君の姿は何処にもない
ただハープの音だけが悲しく響いているだけ
キレイなはずのハープの音も君がいないんじゃキレイなだけの音だってだけで終わっちまう
ぐらりと空間がねじれて歪んで目覚めるといつもと同じ僕の部屋
彼女の肩代わり
あの子が呼んでる
君のいない世界で今日もまた新しい日が始まる
君のいない世界なのにいつもとなにも変わらない
それどころか僕はふと気づくと君を忘れそうになる
危なく忘れる間際で思い出しては涙が頬を伝うんだ
この世界でたった一つだけの楽園を失った僕に残された
莫大な君の貯蓄ともう還らない君のいない
息が詰まるほどの淋しい失楽園。
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