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甘味亭 真朱麻呂の部屋


[645] 光と影のダンス
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][得票][編集]


歪んだ愛と欲望で溢れかえった世界
人々は偽ることで弱さや素性を隠す
その磨き上げられた美しさの裏には
醜い心と悪意に満ちた素顔がある
知らない間にたくさんの闇を背負ってしまった貴女
誰より人の傷みを知るはずの貴女
それなのにその傷みを他人にやり返そうとするのは何故?
傷つけいがみ合うことで本当に心が満たされる?

いつの間にか貴女の心はきれいさをなくし
憎しみに染まりきってしまった
傷つけることに慣れてしまえば傷つけたってなにも感じない
他人の傷みや悲しみなんて知ったことはない
そんな風に考える貴女に昔の面影は少しもない
貴女の姿をした悪魔がただそこにいるだけ

何度悲しみに涙しただろう
何度貴女を殺して死のうと想っただろう
月明かりのライトが照らす中で
唯一温かみを感じるのは私の体内に流れる血のみ
それだけが唯一の救いだ

やがて光は淀み闇が光を飲み込んでしまえば
光は消え闇の支配する悪夢が訪れる
だからその前に彼女を本当に愛しているなら楽にさせなければいけない

握りしめたナイフ
僕らの愛に決着を着けなければいけない
さもないとまた貴女は誰かを傷つけてしまうから

どうかこの僕と光と影のダンスを
死へと向かうダンスを踊りましょう
もう貴女が誰かを傷つけるのをみるのは耐えきれないから。

2007/03/11 (Sun)

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