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甘味亭 真朱麻呂の部屋


[755] 『詩人失格』
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


詩を書いている人は皆
詩に対して絶大な愛情を持ち
そして誰もが抱くであろう迷いや悲しみを言葉じゃなく文字にして伝えるんだろう

だけれど僕はそれ程までに詩を愛しているわけじゃない
愛していないという訳じゃないけれど
何故か僕は詩を愛せずにいます

そんな僕は詩人としては失格だ
では何を伝えたくて僕は詩を書く?
それも分からない
だが詩を書く
気づいたら詩を書いていた
ぼんやりとした気持ちで
何故か書いていた

空を見上げて
川のせせらぎに耳を傾けて
鳥のサエズリを聞き
喜びも悲しみも詩にする
僕はそんな詩人さ
少しひねくれた詩人さ

胸の底から湧き上がる情熱は
だらしない気持ち
徐々に溶かしていく
そしていつか
僕の書き綴ってきた数多の言葉たちは
教えてくれるよ
迷ったとき悩んだとき力になる
悲しいとき切ない夜も支えになる
魔法じみた言葉
それが詩なんだろう
そんな詩を書いていたいんだ

そのために僕らは酸いも甘いも
極楽ばかりじゃなく
地獄のような試練も乗り越えるんだ

詩人を失格になったとしても
僕はきっとそれでも詩を書くのだろう
ひとりの人として
想いを文字にして
平々凡々とした暮らしの中で詩を書き続けていこう
これからも そして
年をとっても きっと。

2007/03/24 (Sat)

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