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甘味亭 真朱麻呂の部屋


[835] 『夢物語』〜後半
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


ユラリユラユラ
夢物語
あの日見ていたのは
幻と解っていても
何故にこんな侘びしくなるんだ?
胸の奥こんなに苦しいのはどうして?

あの日、空に浮かべた夢と理想
今はもう叶うこともない幻という妄想
それでも、僕は時々思い出す
バカみたいに本気になって
アホみたいにやっけになって
追いかけていた
まだ若かった頃の自分を
思い出す
どうしてなのかは
未だに解らない
けれど涙が溢れ出る
理由くらいは
ちゃんと解っている
それは きっと
もう悔やんでも後戻りすることのできない現実があるから
それは きっと
いつかきっとそんな頃があったことさえ
忘れてしまう日が来るから

だから せめて
今だけはあの日を
懐かしく思い出させて
青臭いあの日の僕を
青春という名の煌めく夢物語を
ゆっくりと思い出させて。

2007/03/31 (Sat)

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