詩人:甘味亭 真朱麻呂 | [投票][得票][編集] |
景色がぼやけて見える
まるで絵の具に水を混ぜたような
淡い色になって僕の瞳に映る
目をこすってみたら涙の粒が指について
二個三個とそれは数を増していき
ついにはまるで雨のように
止まらなく溢れてきた
きっと涙の理由は
僕が一番よくわかってる
この胸の高鳴りは不規則なリズムを波打たせて
嗚咽とすすり泣く声も無視して
次々に涙を流させる
泣き止んだころには
もう空は茜色をして
立ち上がった途端の五時のチャイム蛍の光
胸が少しだけ安らぐ
さっきまでの泣いてた自分がまるで嘘みたいに
また笑える自分がここにいる
そして振り返ればそこには鮮やかな夕陽が今落ちていく。
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